不忍池にハリちゃんを立てる

不忍池にハリちゃんを立てる

野村穂貴は、1949年の不忍池埋立反対運動の象徴であった「アヒルの張子」をめぐるリサーチプロジェクトを継続している。「ハリちゃん」とは、1949年のアヒルの張子をもとに作者が実寸で再制作した張子の愛称である。 文献調査やフィールドワークを基盤としながら、壁画制作、レクチャーパフォーマンス、トークイベント、ワークショップなど、多様な形式によってリサーチと発表を展開してきた。これまでに新聞写真や当時の資料をもとに全長3メートルを超える張子を制作したほか、不忍池を200分の1スケールで再構成した立体作品の制作、不忍池と中国・杭州の西湖との歴史的な関係に着目した現地調査などを行っている。また、再制作した張子を実際の不忍池へ設置する構想のもと、関係各所や地域団体との協議も進めている。 本プロジェクトでは、歴史的事実を単に記録・再現するのではなく、ひとつの事物を手がかりとして、人々が土地の記憶や歴史とどのように関わり直すことができるのかを探っている。リサーチそのものを表現実践として位置づけながら、過去の出来事や失われた存在が現在の人々との関わりのなかでどのように語り直され、共有されうるのかを検討している。

不忍池にハリちゃんを立てる 1

Players

野村 穂貴

Project Leader

野村 穂貴

NOMURA Hodaka

土地や環境、社会の中を実際に歩き、そこで出会った物事や人々との出来事を自らの視点を通して再構成し、作品として提示する実践を続けている。歩くという行為は単なる移動ではなく、身体とまなざしを用いて現実世界に触れ直すための方法である。そして制作を通じてその体験を他者へと開き、共に新しい風景を見つめ直すための探究をしている。